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138日目 

鼻のチューブが抜けたことで、父の意識回復が早まるのではないかと期待して、仕事帰りに病院に立ち寄った。

夜9時頃病室を訪れると、父は何かを見ている感じではないけれど、左目を明けていた。
夜行くと、目を開けていることが多い。そして昼行くと目をつぶって眠っていることが多い。ひょっとしたら、父は夜起きていて、昼眠っているのかもしれない。

ウェットティッシュで顔をちょっと拭いて、右手を握って、昨日の手術のことや、これからのことをゆっくり小声で話した。

眉間から鼻にかけて、人差し指と親指でつまんで、優しくマッサージすると気持ち良さそう。鼻からチューブが抜けて、本当によかった。

帰る間際、ぼんやりと中を見ている視線の先にぼくの顔を持って行って、目を合わせてみた。
父と目が合った時、これまで感じたことがない感覚が一瞬強烈にあった。
目が合った瞬間、サァーっと父の目に吸い込まれ、
「おお、おまえか! 分かるぞ!」
そんな父の感情が目から伝わった。

目が合ったまま、顔をゆっくり上下左右に動かすと、父の目が、ぼくの目を追いかけるようになった。これまで、父はぼんやりと見えているようだったけれど、はっきりとは見えていないような感じだった。それが今夜、父は明らかにぼくの目をとらえて、ぼくが位置を変えるとぼくの目をみながら目を動かせるようになった。

意識が回復して来ていて、身体が動かないのだとしたら、父が喜ぶような楽しみを運んであげたい。
今度、落語のCDを借りて持って行ってみたい。
今度、司馬遼太郎の本を持って行って読んで聞かせたい。
漫才の番組を録画してみせてあげたい。
いろいろ試してみたい。
父がせめて、右手だけでも動かせるようになって、好きな時に好きな本やテレビやCDが聞けるようになればいい。
右足がもっと動くようになって寝返りができるようになって欲しい。

3ヶ月ほど前、父は一度だけ声を出したことがある。
妹の友達の看護婦さん達がみなで
「おいちゃーーーん!」
と大声で呼んだ時
「はーい」
と一回だけ答えたのだ。

一度できたなら、できるようになるはずだ。そう信じて、ゆっくり父の回復を待ちたい。

コメント

コメントありがとうございます。病室で医師や看護師さんに「何かしてあげたい事や一緒にしたい事ががあったら、遠慮なく相談して下さいね」と聞かれたら、ぼくたち家族もその場では「何も思いつきません」と言ってしまうかも知れません。
してあげたいことが些細でつまらないことだから、わざわざ医師や看護師さんにお願いするようなことではないかなぁとか、言うと笑われちゃうかなぁとか思ってしまうので…。
妹が看護師だったり、ぼくの20年来の親友が別の病院で医師をしており、相談相手がみんな、
「思ったり感じたことは言わないとダメだよ」と釘を刺すので、できるだけいろいろ言おうと心がけております。
でも、うちは転勤族だったから、家族4人の結束が、他のご家族よりも結束が堅いということはあるかもしれません。

よく患者さんのご家族に「何かしてあげたい事や一緒にしたい事ががあったら、遠慮なく相談して下さいね」と声をかけますが、大半の方々は「何も思いつきません」「一緒に住んでないし本人が何を好きだったかよくわかりません」と消極的です。こんなにしてあげたい事が思いつくなんて、素晴らしい家族関係だと思いました。

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